平成 14 年法律第 96 号の改正薬事法は新法と呼ばれ、それ以前の薬事法は旧法と呼ばれます。
旧法では、薬事申請は各都道府県の薬務課が管轄し、新法では PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が承認品目を、登録認証機関が認証品目について 管轄するようになりました。
旧法では全て承認品目でしたが、新法ではリスクの度合いに基づいて承認品目と認証品目に分けられました。
歯科材料でコバルト・クロム合金、ニッケル・クロム合金、金合金、ロー材はリスクが低いのでクラスⅡの認証品目になりました。
この旧法から新法への切り替えは承認・許可制度等に係る大改正といわれ、旧承認書から認証書へ移行申請をするように指導されました。
その施行は平成 17 年 4 月 1 日から平成 20 年 3 月 31 日までとされました。
APSは、1969年からドイツBEGO社の総代理店としてBEGOの歯科技工製品を輸入販売していました。
そこで、APSは旧法では承認品目の承認書を登録認証機関管轄の認証書に移行するために、APSが申請者として移行認証申請をしていました。
しかし、移行認証申請手続き中にもかかわらずAPSの知らない間に登録認証機関JETがBEGOを申請者に変更しました。
もちろん、BEGOは日本法人ではなく、旧法の承認書を持っていないので、移行認証申請する資格はありませんでした。
BEGOがAPSの旧承認書を使用して移行認証申請するためには、薬事法に基づいて、APSが BEGOに旧承認書を譲渡し、BEGOが薬事申請権を承継した後 に、BEGOが新規認証申請し、認証取得後に APS の旧承認書の承認整理届書を提出 する義務がありました。
しかし、APSは、BEGOに旧承認書を譲渡したり承継したりさせていません。
参考
承継の届出に必要な書類は
(承継の届出)第69条 3
前項の届書には、承認取得者の地位を承継する者であることを証する書類を添えなければなりません。
承認承継届書には、添付書類として
③ 承継者であることを証する書類 <契約の場合> 当該契約書の写し
④ 施行規則第69条第1項各号に掲げる資料及び情報を承継者に移譲する旨の被承継者の誓約書(相続の場合を除く)と規定されています。
JETは薬事法で規定されているにもかかわらず、
③の契約書の写し、④の弊社の誓約書もないのにBEGOが申請者でAPSを選任製造販売業者にしたBEGOの申請書類を受理しました。
BEGOは総代理店のAPSを 株式会社ニッシンに切り替えるため JETと相談し、薬事法を無視し、APSを選任製造販売業者にすると同時に、株式会社ニッシン(株式会社アイキャスト)をも選任製造販売業者にしました。
元来、APSは旧法下での国内管理人ではありませんでしたので、旧法の『国内管理人』を新法で読み替えた選任製造販売業者ではありません。
JETは、APSを選任製造販売業者にしたBEGOの違法な薬事申請を受付け、APSの準備していた全ての移行認証申請資料を BEGOに流用しました。
BEGOは、JETの助けをかりてAPSを選任製造販売業者にし、同時に株式会社ニッシン(株式会社アイキャスト)も選任製造販売業者にして、BEGOの同一品目を認証申請しました。
この二重申請は、JETの 竹森氏が BEGOに推薦したコンサルタント 山本款路氏により行われました。
本来、外国特例承認制度は、旧法下では緊急性のある医薬品を特例として当該製品を 一国内管理人が輸入販売するための制度でした。
したがって、外国特例承認制度は、外国製造業者が、品目ごとに選任製造販売業者を選定して輸入販売させることが認められているのです。
ですから、JETが BEGOのために同一のパッケージ、デザイン、製品名の製品を 、販売させるために、同時に二社の選任製造販売業者を認証した事は容認できません。
生物学的安全性評価は、開発した製品を市場に出荷する前に生物学的安全確認のために行う事柄です。それに基づいて添付文書が作られます。
BEGO は外国特例認証取得者として、BEGOのCEOが生物学的安全性評価者として認証申請書を提出するべきですが、JETと相談して無断でAPSのCEOを生物学的
安全性評価者にしました。
リスク分析は、生物学的安全性評価と同様に重要な項目です。
BEGOがAPSを無視して、直接 JET に提出したドイツ語で書かれた「リスク分析 」の中に、7品目のコバルト・クロム合金のリスク分析が、ニッケル・クロム 合金のリスク分析内容で、製品名はコバルト・クロム合金にしていることを、 2013 年 12 月 16 日に私はJET に文書で糾弾しましたが無視されました。 (BEGO事件の真実(1) 理解できない行為③もご覧ください)
このことから、JETと BEGOは生物学的安全性評価者をAPSのCEOにすることを、 最初から画策していたことがわかりました。
エーピーエス株式会社
取締役 中井陽子